脇の多汗症(原発性腋窩多汗症)の治療
脇の多汗症の診断
脇の汗が多い方で
以下の6症状のうち2項目以上に当てはまる場合
原発性腋窩多汗症と診断されます。
〇最初に症状が出るのが25歳以下であること
〇左右両方で同じように発汗がみられること
〇睡眠中は発汗が止まっていること
〇1週間に1回以上多汗の症状がでること
〇家族にも同じ疾患の患者さんがいること
〇わき汗によって日常生活に支障をきたすこと
治療としては
1.外用治療(保険適応)
2.ボトックス注射(保険適応)
3.ミラドライ(自費治療)
4.手術(保険適応)
1.外用治療では現在2種類あります(2022年5月23日現在)
〇エクロックゲル
市販の制汗剤とは異なる成分で1日1回外用することで脇の汗を抑えることができます。
12歳以上の原発性腋窩多汗症の方が適応となります。
腋窩以外は保険適応外となり処方できません。
効果が出るまで約2週間かかります。
〇ラピフォートワイプ
こちらはシートになっており拭くタイプになります。
9歳以上の方の原発性腋窩多汗症の方が使用できます。
いずれの薬剤も腋窩のみの適応であり、他の部位に
薬剤がつかないようにする必要があります。
上記の保険薬剤で効果がない場合は自費の外用薬を使用いただくこともあります。
2.ボトックス注射
安全に加工されたボツリヌス毒素を脇に注射することで汗を抑える治療です。
注射なので痛みがある点と、高額な点がネックですが効果抜群です。
一回の注射で3-6ヵ月(個人差あり)程効果が持続します。
保険適応で3割負担の方で約22000円となります。
3.ミラドライ
自費の治療になります。当院では治療できません。
傷跡が残りませんので根治手術を検討されている方には
まず試してみるのも良いと思います。
ミラドライ
4.手術
当院では行っておりません。根本的な治療になるのですが
傷跡の問題もあり、他の治療をまずはおすすめしております。
他の部位の汗
以上はすべて腋窩・脇の汗についての治療です。
患者様の中には顔面、手、足などの汗に悩まれている方も
多いです。
残念なことに保険適応の薬剤は内服のみで効果も個人差があります。
手、足の治療に対してはイオンフォレーシス
という保険適応の治療があります。
こちらも当院では行っていない治療ですが大きな副作用もなく
試してみる価値はあると思います。週1回程度の通院が必要となります。
先日脇のボトックスをされた患者様がご自宅で器械を輸入され
ご自身でイオンフォレーシスをやられていると話されていました。
効果に満足されているとのことでしたので興味のある方は
試してみるとよいと思います。
Amazonで購入できるようです。
ダーマドライ