カインミックス アレルギー 麻酔アレルギー
パッチテストパネル(佐藤製薬):アミノ安息香酸エチル(ベンゾカイン)、ジブカイン塩酸塩、テトラカイン塩酸塩が含まれている。麻酔薬です。
ポイント
・痛み止め成分入りの外用薬・スプレー・うがい薬・トローチなどを一旦中止
・医療機関では「局所麻酔薬(カイン系)でパッチテスト陽性」と必ず申告(歯科・形成・皮膚科・耳鼻科で特に重要)
・処置や注射の前に、使う麻酔薬の種類(エステル型かアミド型か)を確認してもらう
・ベンゾカインやプロカインが要請の場合は、酸化染毛剤のアレルギーがおこりうる
避ける・注意する成分名(ラベル表記)
・ベンゾカイン(=アミノ安息香酸エチル/p‑aminobenzoic acid ethyl ester)・テトラカイン(tetracaine)
・ジブカイン(dibucaine/cinchocaine)
・プロカイン(procaine) 佐藤パッチテストには含まれていません
・表記例:「局所麻酔成分配合」「表面麻酔」「○○カイン」
避ける・注意する製品カテゴリ(代表例)
・外用薬
■痔用クリーム・坐剤、打撲・虫刺され用の鎮痒鎮痛クリーム
■口内炎パッチ・口腔用ゲル、喉スプレー、トローチ(ベンゾカイン配合製品)
■皮膚科外用の「麻酔入り」ゲル・クリーム
・歯科・医療
■歯科の表面麻酔ジェル、眼科・耳鼻科の表面麻酔滴下薬
・化粧品・日用品(ベンゾカイン陽性の方で特に)
■PABA系成分を含む日焼け止め(パラアミノ安息香酸/Padimate O など)
■PABA:正式名:p‑アミノ安息香酸(para‑aminobenzoic acid)
UVB(主に280–320 nm)を吸収する「紫外線吸収剤」の一種。
現状:刺激性や接触アレルギー、衣類の黄ばみ・着色の問題などから、多くの国で使用が減少。市販品では「PABAフリー」と明記されることが多いです。
交差反応・関連のポイント
・エステル型(ベンゾカイン、テトラカイン、プロカインなど)は相互に交差しやすい ・アミド型(リドカイン、メピバカイン、プリロカインなど)は多くの方で使用可能なことが多いが、個別評価が必要
・ベンゾカイン陽性の方はPABA関連(PABA含有日焼け止め等)にも注意
・同じ「カイン」でも種類により安全性が異なるため、手術・歯科処置前に代替麻酔の選定を
回避と代替のコツ
・市販薬は「局所麻酔成分不使用」を選ぶ。痒み・痛みには冷却、ワセリン保護、非ステロイド系鎮痛外用(麻酔なし)などへ切替
・医療処置では
■エステル型陽性が主の場合:アミド型(例:リドカイン)への切替を医師と相談
■必要に応じて単剤・防腐剤フリー製剤や濃度調整を検討
・歯科
■表面麻酔ジェル(ベンゾカイン含有が多い)を避け、注射はアミド型へ
・日焼け止め
■「PABAフリー」や広く使われるUVA/UVB吸収剤でPABAを含まないものを選択
ラベルでの見分け方(記載例)
・有効成分:ベンゾカイン/テトラカイン/プロカイン/ジブカイン
・用途表示:「表面麻酔」「鎮痛成分(ベンゾカイン)」など
・日焼け止め:PABA、Padimate O(PABA誘導体)と書かれていないか確認
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よくある落とし穴
- 痔用クリームや虫刺され薬にベンゾカインが入っている
- 歯科の表面麻酔ジェルでの再燃
- 喉スプレー・トローチのベンゾカイン
- 「カイン=全部ダメ」と誤解して医療が滞ること(種類選択で対応可能な場合が多い)
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使う前のミニテスト
- 新規外用は前腕内側にごく少量を1〜2日。赤み・かゆみが出たら中止(医療用麻酔は自己テストせず医療者判断で)
当院では麻酔アレルギーのチェックはパッチテストのみとなります。
手術などで麻酔薬の選定が必要な場合は専門病院での検査が必要となります。



