ペルーバルサム アレルギー
樹木が分泌する樹脂が揮発性油脂に溶解した粘性の液体をバルサムと呼称し,粘性で強い香りを有する.
香料以外に抗菌、 防腐目的で使用されるBaIsam of Peru (Myroxylon pereirae)はマメ科熱帯性高木樹から得られる樹脂である
ポイント
・「香り」「防腐・抗菌」「創傷保護」目的で使われるバルサム系・樹脂系成分をまず回避
・香料・外用薬・貼付剤のラベルでペルーバルサム関連の表記を確認
・医療機関や薬局では「ペルーバルサム陽性」と申告し、香料や樹脂を含まない代替を選択
避ける・注意する成分名(ラベル表記例)
・Peru balsam(Balsam Peru/Balsamum peruvianum)
・Myroxylon pereirae(学名)
・Balsam、Tolu balsam(トルーバルサム)など近縁
・Cinnamic alcohol/cinnamal(ケイ皮アルコール/ケイ皮アルデヒド)
・Benzyl benzoate、Benzyl cinnamate、Cinnamates
・“Fragrance/Parfum”の包括表示(個別記載がない場合も多い)
注意する製品カテゴリ(代表例)
・医薬品・医療材料
■ 外用の軟膏・クリーム(創傷保護・鎮痛・痔用など)、貼付剤の粘着・基剤、うがい薬や口腔用外用の一部、去痰剤として使用されるトルーバルサムは類似香料を含有する
・化粧品・日用品
■ハンドクリーム、リップ・口紅、香り付き保湿、香水、アロマ配合コスメ
■シャンプー、ボディソープ、デオドラント
・芳香・家庭用品
■アロマ・ディフューザー、精油ブレンド、香り付き洗剤・柔軟剤、キャンドル
・食品(稀だが注意)
■ガムやソフトドリンクの風味付けに近縁成分が使われることがあるため、症状再燃時は成分を確認
・交差・関連の注意
■香料ミックス成分(ケイ皮系、オイゲノール、イソオイゲノール等)やロジン、プロポリスと併存・交差しやすい
■古い香料や酸化した精油は感作性が高まることがある
・回避と代替のコツ
■「Fragrance‑free(無香料)」を選択(Unscentedは香料入りの場合あり)
■口唇・肛門周囲・慢性湿疹部などバリア低下部位は特に香料・樹脂不使用の外用へ
■保湿はシンプル処方を優先
例:ワセリン、グリセリン、スクワラン、シアバター(未香料)
■芳香はやめるか、必要最小限で短時間・低濃度。精油は開封後の酸化に注意し早めに使い切る
・ラベルでの見分け方(記載例)
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- 成分欄に Myroxylon pereirae、Peru balsam、Balsamum peruvianum、Benzyl benzoate/cinnamate、Cinnamal などがあれば回避(交差感作)
- 香料は「Fragrance/Parfum」包括表示の場合が多いため、無香料製品を基本に
よくある落とし穴
・「天然」「オーガニック」「ハーブ配合」での香料・樹脂混入
・痔用・創傷保護外用の微量香料・樹脂での慢性再燃
・リップ・口紅やハンドクリームの香料
・アロマ・ディフューザーの長時間使用で衣類や寝具に残香
使う前のミニテスト
・新製品は前腕内側に少量を2〜3日。赤み・かゆみが出たら中止
・口唇・粘膜周辺に使うものは特に腕での事前確認を徹底



