女性下肢の赤い斑点、下肢点状出血 単純性紫斑
36歳女性
主訴:
数年前より両下肢に点状出血が出現・消退を繰り返している。
既往歴/治療歴:
他院にて外用薬による治療を受けたが、著明な改善はみられなかった。
現病歴:
食事内容の見直しを行い、特にタンパク質および鉄分の摂取を促したところ、約2か月後には点状出血は消失し、軽快した。
患者自身、普段からタンパク質の摂取量が少ないことを自覚しており、受診後食事に加えてプロテインを摂取していたが、摂取後に腹部不快感やガスのにおいが気になるようになった。
このことから、タンパク質の消化吸収不全により腸内環境が悪化し、悪玉菌の増加が起きている可能性が示唆された。
→ プロテインの摂取量を一回あたり減らし、回数を1回/日から2回/日に分けて摂取するよう指導。
考察:
女性の両下肢にみられる点状出血の原因として、鉄欠乏や低タンパク血症が考えられる。
食事内容の改善により症状が軽快したことから、栄養不足に伴う皮膚・血管脆弱性が関与していた可能性が高い。
今後の方針:
本疾患は除外診断にて評価すべきであり、他の出血傾向を呈する疾患との鑑別が必要。
そのため、血液検査にて血小板数、凝固系、鉄、フェリチン、総蛋白、アルブミンなどの評価が必要なので症状がある方はお近くの皮膚科を受診しましょう。