ゴム製品の製造過程で使用される加硫促進剤の一つである.ゴムの加硫剤である硫黄による架橋結合を補助し,
手袋の引張強度を強化する目的で使用される

 

A:まずはこれだけ

○ゴム(特に加硫ゴム)が直接皮膚に長時間触れないようにする

○汗・摩擦・蒸れは反応を悪化させるので、乾燥と通気を心がける

○新規アイテムは前腕内側で短時間パッチ(試し接触)してから本使用

 

B:避けたほうがよいもの(代表例)

○手袋

●天然ゴム(ラテックス)手袋、安価なゴム手袋全般

● 靴・衣類

●ゴム底靴の内側縁や中敷のゴム部、長靴

●下着や靴下のゴム口、ウエストやブラのゴム

○生活雑貨・玩具

●輪ゴム、ゴム風船、ゴム製おもちゃ、ゴムグリップ(工具・包丁・ペン等)

○接着・工業用品

●ゴム系接着剤、ベルト・ホース・パッキン類

○医療・衛生

●一部の弾性包帯、ゴム部品のある医療器具、コンドームやペッサリーの一部製品

 

 

C:ラベルで避けたい成分・表示例

○Mercaptobenzothiazole(MBT)

○Dibenzothiazyl disulfide(MBTS)

○2‑(Morpholinothio)benzothiazole(MBS)

○“Mercapto mix”, “Rubber accelerator”, “加硫促進剤”

○“Thiazole”系表記

○しばしば成分未表示の生活用品もあるため、メーカーに問い合わせが有効

 

●代替のおすすめ

○手袋

●“Accelerator‑free”または“低アレルゲン”のニトリル手袋

●ポリエチレン(PE)手袋、ビニル(PVC)手袋(細かい作業には不向きな場合あり)

●綿手袋をインナーにして上から耐油手袋を重ねる二重装着

○ 靴・衣類

●素足でゴム縁に触れないよう綿のライナーやインソールを追加

●コルクやEVA主体、中底に布張りのものを選ぶ

●ゴム口が肌に触れる衣類は当て布を縫い付ける、タグ側を外側へ折り返すなど工夫

○生活用品

●シリコン、木、金属、硬質プラ製のグリップやハンドルへ変更

●輪ゴムは布バンドやクリップに置き換え

 

D:日常のコツ

○反応の出やすい部位(手、足、ウエスト周り)を布でカバー

○汗をかいたら早めに洗浄・乾燥。就業中はこまめに手袋を交換

○新しいゴム製品は“洗えば安全”とは限らない。匂いが強いものや黒色の未加硫臭が強いものは回避

 

 

E:交差感作に注意(必要に応じて医師へ相談)

○チウラム系、カルバミックス(カルバメート)など他の加硫促進剤でも反応する方がいる

 

 

 

お花茶屋くじら皮膚科