フラジオマイシン硫酸塩はアミノグリコシド系抗菌薬です。 同じ分類である アミノグリコシド系抗菌薬は基本構造骨格が類似しており,交差反応をおこしやすいです。そのためフラジオマイシン硫酸塩に感作された人の約半数は,ゲンタマイシン硫酸塩などにも過敏症を示すとされています。

●ポイント

・「フラジオマイシン(フラジオマイシン硫酸塩)」「Framycetin sulfate」「Neomycin sulfate」を含む外用薬・点眼・点耳・創傷パッドを中止

・受診時は「アミノグリコシド系抗菌薬の接触アレルギーあり」と必ず申告(皮膚科以外でも、眼科・耳鼻科・形成外科・歯科で特に重要)

・使用中の外用薬や市販薬は成分表示を確認し、不明なものは一旦休止

 

●避けるべき成分名(ラベル表記の例)

・フラジオマイシン、フラジオマイシン硫酸塩

・Framycetin(Fradiomycin)、Framycetin sulfate

・Neomycin、Neomycin sulfate

 

●交差反応の注意(同系統で反応することが多い)

・アミノグリコシド系:ネオマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン など

・これらが配合された外用薬・点眼・点耳・軟膏・湿布様製剤・創傷パッドは避ける

 

●避ける・注意する製品カテゴリ

・医療用・市販の外用抗菌薬(軟膏・クリーム・ローション・スプレー)

・抗菌成分入り創傷パッド・ガーゼ・被覆材

・点眼薬・点耳薬(抗菌+ステロイド合剤を含むことあり:ネオメドロール眼軟膏など)

・獣医領域の外用薬(ペット用点耳・外用での接触機会に注意)

・「化膿止め」「傷薬」「抗菌」などの表示製品は特に成分確認

 

●代替の基本(医師と相談して選択)

・感染兆候がない小傷・湿疹:流水洗浄+ワセリン保護、非薬剤性被覆材を使用

・外用抗菌が必要な場合:非アミノグリコシド系の選択肢を医師が評価して処方(アクアチム、ダラシンなど)

・眼・耳トラブル:必ず医療機関で成分を確認のうえ処方調整

 

●生活上のコツ

・新しい外用・点眼・点耳・創傷材は成分表をチェック。不明なら薬剤師に確認

・職場・学校の救急箱や家族の常備薬にも同成分が入っていないか確認

・再燃防止のため、治っても当面は同系統成分を避け続ける

 

 

 

お花茶屋くじら皮膚科