p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂 アレルギー
p-tert-ブチルフェノールとホルムアルデヒドから合成される樹脂の一種で,優れた粘着性,耐久性,耐熱性,柔軟性をもつ。 主にクロロプレン系接着剤に含まれている。
ポイント
・「接着剤・ボンド・樹脂コーティング」に触れる作業・製品をまず見直す
・皮革製品の「接着面(内側)」や工具・器具の「樹脂グリップ」に長時間触れない
・医療・歯科・職場で「PTBP‑F樹脂陽性」を申告し、代替接着剤や手袋選択を相談
・避ける・注意する製品カテゴリ(代表例)
■接着剤・コーティング
・革靴やベルト、バッグ等の「皮革接着」に使われる樹脂接着剤
・産業用接着剤、接着テープ・ラベル、木工・建材用接着剤、工具グリップの樹脂被覆
・スポーツ用品(ラケット・バット・クラブ等)のグリップ接着
■職業曝露
・皮革加工・靴製造、家具・建装、印刷用インク、複写紙、プラスチック製品、プラスチック製爪(人工爪)の接着、ベニヤ板、絶縁体、車のオイル、パッケージ、電機組立、理美容の接着・延長材取り扱い
■日常品
・革靴の中底・縁取りの接着部、時計バンド裏面、スマホケースの接着層、家電の樹脂接着部、脱臭剤、殺虫剤、ウエットスーツ
ラベルや表記での見分け方(避けるキーワード)
・p-tert-Butylphenol-formaldehyde resin(PTBP-FR)
・p‑tert‑Butylphenol(p‑TBP)、PTBP resin、Phenolic resin(フェノール樹脂)
・“Rubber/resin adhesive”“Contact cement(ゴム系接着剤)”“Phenol‑formaldehyde resin”
・SDS(安全データシート)で「p‑TBP」「phenol‑formaldehyde」「tackifier resin」を確認
交差・関連の注意
・ロジン(松脂)系樹脂、エポキシ樹脂、香料バルサム類で併存感作が見られることがある
・皮革アレルゲン(クロム)やゴム加硫促進剤(メルカプト、チウラム等)と混在製品で同時曝露に注意
回避と代替のコツ
■皮革・接着部の対策
・皮革製品は「縫製主体・接着最小」や「水系・無フェノール樹脂接着」表示のものを選ぶ
・革靴は布ライナーやインソールで接着部の直接接触を遮断
■作業対策(職業・DIY)
・SDSでPTBP‑F含有の有無を確認し、可能ならシリコーン系、水系ウレタン等の代替接着剤へ
・手袋はニトリル等を基本に、長時間作業は二重手袋(綿インナー+ニトリル)と換気・局所排気を併用
・グリップ類は布・コルク・シリコーンのオーバーラップや交換部材で皮膚を遮断
■家庭
・接着剤使用は短時間・少量・乾燥後に扱う。乾燥直後は完全硬化まで直皮膚接触を避ける
よくある落とし穴
・「革の内側の接着部」での足背・足底・くるぶしの湿疹
・グリップやハンドルの樹脂被覆での手湿疹
・乾燥・硬化前の接着剤飛沫・蒸気への皮膚・爪先接触
・「フェノール樹脂」や「タッキファイヤ(粘着付与剤)」とだけ記載され実質PTBP‑Fを含むケース
使う前のミニテスト
・新しい革製品やグリップは、接着部が当たる場所を避けて短時間から使用開始
・接着剤を扱う前に、手背の小面積で間接接触の反応を確認(職場ではパッチテスト結果に基づきSDS優先)



