先日の患者さん

当院は初めての受診でした。他院で数年間治療されていました。

アトピーの症状はそこまで強くないのですが完全には落ち着いていない状態でした。前医ではステロイド外用治療とビタミンCを色素沈着に対し処方されてました。

 

炎症後色素沈着に対しビタミンCを処方されるのは理解できますが、添付文書では”効果がないのに月余に渡って漠然と使用すべきではない。”と記載されておりその点は保健指導(クリニックが適正な保健医療を提供しているかチェックをすること)でも厳しく指導されました。(医療費削減のため国も必死です!)数年内服しているとのことで効果は疑わざるえません。

とう言うことで当院ではまず皮膚を落ち着かせつためにステロイド外用薬を用いたプロアクティブ療法をメインとし寛解してきたらステロイドを他剤に変更していくこととしました。

 

Q.なぜアトピー性皮膚炎の方は皮膚が茶色くなるのでしょうか?

 

首の色素沈着

 

A.

これは簡単にすると日焼けのあと赤くなり、茶色くなるのと一緒です。

日焼けのあとには刺激によりメラノサイトが活性化し

メラニンが多く産生されます。(図の茶色い粒)

これが皮膚に溜まって茶色に見えるのです。

アトピーの方は皮膚が荒れることによりメラノサイトが活性化し

メラニンが多く産生されます。

つまり皮膚を正常の色にするためにはまずメラニンの産生を抑制する

必要があります。

つまり、炎症をおさえて肌が荒れないような状態を維持することが不可欠です。

そのためにはプロアクティブ療法が効果的です。

 

しかし、炎症が長年落ち着いて寛解を維持できている方でも

なかなか色素沈着が改善しない方がいます。

 

それは上図の基底膜が炎症により壊れて

メラニンが下に落ちているからです。

表皮から真皮へメラニンが落ちていると考えられるのです。

表皮はターンオーバーにより基底膜(下層)から角質層(上層)

に移動し垢となって自然と剥がれます。これにより日焼けの跡などの

色素沈着は薄くなるのです。

ところがアトピー性皮膚炎の方の色素沈着は生まれ変わる皮膚よりも下に

メラニンという色素が落ちていることがありこの場合は内服・外用治療だと

改善が得られないことが多いです。

効果がある治療としてはレーザー治療(自費)となります。

Qスイッチルビーレーザーや、ジェントルレーズによるレーザーフェイシャルなどで

改善の報告があります。

 

ピーリングやエレクトロポレーションなどの治療でもある程度

回復しますがこれは表皮のメラニンを治療していると考えられます。

真皮のメラニンは残る可能性が高いです。

 

治療希望の場合は一度ご相談ください。

 

 

 

 

 

 

お花茶屋くじら皮膚科