疥癬について
疥癬(疥癬虫)
特徴
疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生して起こる皮膚病です。腹部・胸部・大腿内側などに発疹が生じ、強いかゆみを伴います。接触感染のほか、衣類やリネンからも感染します。通常型と感染力の強い角化型があります。ダニは皮膚から離れると短時間で死滅し、50℃10分で死滅します。
平常時の対応
早期発見と適切な治療が重要です。疑わしい場合は皮膚科専門医の診察を受けます。衣類・リネンは熱水洗濯か乾燥機使用を推奨し、布団は日光消毒または乾燥させます。施設の場合は職員の衛生的手洗いを徹底します。
疑うべき症状
早期発見が重要です。特徴的な皮膚所見を見たら疥癬を疑います。入所時や日常ケア時に皮膚観察を忘れないようにします。
疑うべき症状
- 皮膚の掻痒感(特に夜間に強くなる)
- 赤い乾燥した皮膚の盛り上がり
- 手の平や手指間の線状の皮疹(疥癬トンネル)
- 男性の臀部や陰のう部の強いしこり
- 他施設からの入所者は特に注意して観察
感染疑い時の対応
- 皮膚科へできるだけ早く受診する(特に角化型は感染力が強いため至急)
- 手袋を着用し、無防備な接触を避ける
施設での対応
疥癬の施設内集団発生時は接触感染予防策が必要です。
推奨される対応
- 個人防護具
- 手袋、使い捨てのガウンを着用する(布ガウン禁止)
- 患者の清潔管理
- 清潔な寝衣に着替える
- 皮膚の清潔を保つ
- 可能な限り毎日入浴する
- 入浴できない場合は毎日清拭する
- 環境管理
- 使用したリネンはビニール袋に密閉して洗濯に出す
- 通常の清掃で問題ないが、清掃時も接触感染予防策を実施する
- 隔離対応
- 角化型疥癬は感染力が強いため隔離対応が必要(本人への説明と同意を得て人権に配慮)
- 接触した職員の対応
- 無防備で接触した場合は、当日の衣服をすぐに洗濯し、帰宅後入浴・シャワーと下着の着替え・洗濯を行う
- 前腕や腹部の症状に注意し、掻痒感や皮疹が出たら皮膚科を受診し責任者に連絡する
治療
ストロメクトール® 内服治療
スミスリン®ローション 外用治療
いずれかを使用します。
お花茶屋くじら皮膚科